栗きんとん

2023.12.25

栗きんとん

サイレント・ナイト

ホーリー・ナイト

静かなはずの夜に突然花火が上がった。どーん!

横浜のクリスマスの夜は静かではない。横浜で歳を越す外国のクリスチャンはどう思うのだろうか。エルサレムの近所では祝うどころではないということだ。

今年の年初に「体を造りかえる」という念願を建てた。

血圧が高めで不眠症でずぼらで出不精でハメマラのハを飛ばしてメにきてしまっているからだった。

運動をして繊維質を摂り薬を極力控え、こまめに洗濯と掃除をすることとした。

なんだかんだと試したところ、やはり一番の原因は飲酒であることがほぼ判明したので、今度はアルコールを控えている。

中島らも「今夜すべてのバーで」

あの本に出てくるアルチューとか、

映画「大病人」に出てくるアルチューの映画監督などを題材に、自分のなかで恐怖心を煽ってみた。

結果からいえば、やめられない。やめられないものを無理にやめようという目標を立てるのは、なんども何度もその都度その都度自分に嘘をつくことになり、それはそれで鬱病を悪化させる。やめられないことをやめると自分に約束し、守れない自分に自己嫌悪し、アルコールはやめられない。待ち受けるのは肝硬変か黄疸はたまた肝臓癌の悪循環。精神と肉体のバランスをとることが大切だ。

そんなくだらないことをつらつら日々考えながらチビチビやっていたら酒量が減った。まぁ、いってみれば自己暗示というのだろうか、よく分からない。

アルコールを抜いていくと三日目くらいで味覚が変化する。それまで舌に被されていたベールが剥がれ落ちて、味覚が蘇る。なにを食べても美味しい水も旨い。

食前酒(アペリティフ)というのがある。食事を美味しく頂きながら相手との会話を盛り立てるためにする行為らしいが、食前酒のつもりで飲み出したのに、飯を食わずに飲んでばかりいるというこの数十年の悪癖を、サイレントキラーが来る前になんとかしようという試みなのである。今月はこれで酒量が半減した。

もうね、ご飯が旨い。ご飯と納豆とお新香だけでイケル感じだ。というのがあり、突然なんだが一念発起して白菜を干して漬けた。飽きっぽいのでこの先漬物はつづくかどうなることやらわからない。が、なにもしないよりゃましだろう。塩分控えめが肝要だ。

学生のころから甘いものが苦手で(彼女と二人のときはもちろん美味しそうにいちごショート食ったけど。俺のウソツキ!)煎餅をかじるほうが好きだったが、それにしても白菜漬けがこれほど美味しいとは。

昨夕、イヴの伊勢佐木町は例年のごとくケーキの踊り子が目立っていた。この日を乗り越えると、「もういくつ寝ると寝正月・・・」という、怒涛のアルコール肝臓終末論的約二週間の誘惑に闘いをいどむことになる。自己嫌悪しないために軽く構えたつもりが、かえって固く身構えるという状況に対して、まぁ少し落ち着けよと自分で自分に言い聞かすこの歳の暮れ除夜の鐘百八つ。

こういうときには甘いものを思い浮かべると飲酒欲は消え失せる。いちごショートもいいけどモンブランの方が栗きんとんも乗っているし、お節も同時に味わえるというなんとも神も仏をも恐れぬ不届きな考えで頭の中を埋め尽くす。近所で鐘つかせてくれる寺があるなら行って突いてこようか。ああいう場所につきものの甘酒ホットはいかがなものか。

お節といえば重箱の蓋を開ける前に用意するべきお雑煮を蔑ろにするわけにはいかない。あの、最初はツンツン角がありながら、それでいて優しく熱すると少しずつ色付き、そしてぷっと膨れた頬が弾ける伸し餅四十二分の一の断片。

これには日本酒だよね・・・。

呑兵衛の言い訳は飽くことなく懲りない。困ったもんだ。

 

それでは。

良い歳をお迎えください。

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