「理屈抜きで感じる」

時代劇と歌謡を同時に終わらせた「お嫁サンバ」

年末にレコード大賞だとか紅白歌合戦だとかを観てからゆく年くる年観ながら、飽きるとチャンネル変えてスティーブ・マックイーンの大脱走観てみたいな。

そういうことをしなくなったのはいつごろからだろうかと思い出してみる。

高校生のときに彼女とデートで初詣をするような感じになってからだろうか。

TVがつまらないというより、TVよりもしたいことができたということなんだろうか。

年末に家でTV漬けになっているのは年寄りばかりなり。

外国の場合、外へ出てハッピーニューイヤーなんてことをするらしいが、当時はそんな習慣を日本人は持っていなかった。

そういえば駅前商店街に恵方巻もなかったしクリスマスケーキ売りの少女もいなかった。

小学生のころ初詣は川崎大師に行き裏から入って賽銭箱の前の方に並ぶ。帽子をキャッチャーミっト代わりにして頭の上に構えると勝手に賽銭が入ってきた。ネコばばしたら坊主に捕まってこっぴどく叱られた。正月からとても縁起の良いスタートなのだった(最悪だよな)。トホホ

初詣はちゃんと並ぶと賽銭済ませて手を合わせて拝むまで、五時間六時間はアタリ目!ではなく当たり前だった。寒くて彼女の手をぎゅっと握れる特典付きでなかったら行かなかっただろう。

音楽を聴くことと絵画を鑑賞することはとても似ている。

「理屈抜きで感じる」こと。

 

変に言葉(歌詞)の意味が判ってしまうと純水に音楽として感じることができなくなってしまうようだ。

歌い手の声も曲の一部、音束の一部として聴くには意味の分からない外国語の音楽がいい。

このギターいいよね。ドラムも憎いことしやがる。ヴォーカルの息遣いがなかなか真似できない。というように楽器として聴くことができるようになる。だから日本語も音楽はしばらく聴かない。

そうすると、この人歌が上手いねってのが分かる。意味はないけど体で音と音のハーモニーを聴くことを感じるとここでは単純に書いている。

 

TVでやると歌謡ショーになっちゃうじゃない。というか歌謡ショーにならざるを得ない。

衣装だの髪型だのダンスだの、TVカメラの切り替えカットとか舞台装置だの照明だの司会者のヨイショだの、観客がいないはずなのに笑い声や拍手を音だけ挿入したりする演出だのに惑わされてしまうじゃない。ドリフターズが全員集合でやっちまったことを未だにやってるし、お笑い番組などもそうなんだろうし。そういうのを知ると白けて観る気が失せる。それはまるで初詣で出した賽銭が非課税で坊主丸儲け広告業界丸儲けみたいなことを知ってしまって白けるのともよく似ている。全くご利益無し。

歌謡ショーとして観るのならHNKあたりは国民アンケートを取ればいい。視聴率も上がるだろうし、政治的発言するアイドル歌手だって出れるかもしれない。

注:政治的発言というのはあくまで「権力批判」という意味。明らかに国民の多くが反対していることに対し、屁理屈をつけて権力を擁護することではない。

 

死んだ親父は海軍で横須賀の海軍基地で訓練されていたらしい。二人乗りの人間魚雷に乗り明日にも出陣とうときに終戦(敗戦)を迎えたと言っていた。

軍服にサーベル挿して映ってる写真を彼の孫に見せたら「カッコイー」という。嫌そうじゃないんだ。そういうモノじゃないんだよ。戦争というのはもっとドロドロでキモチワルイものなんだ。

 

その親父が時代劇観ながら言ってたことを思い出す。

「チャンバラは萬家錦之助以外は駄目だ。」

刀は重いからチャンバラで振り回す時にはそれなりの(重みによる)振り方がある。「今の若い役者のチャンバラじゃ切れない」みたいなことだった。あれじゃ軽い竹の棒を振ってるのと変わらないんだと。

それを親父に聞いてからそういうディテールをよく見るようになった。

欧米の時代劇を観ると剣士が出てきてバッサバッサと叩き切る。叩き切るのと、スっと押したり引いたりして切るのとでは違う。良く研いだ包丁は、力を入れずスっと押したり引いたりするだけで切れるものだ。包丁の重みだけで切れるものだ。

映画やドラマの場合、音楽も聞きづてならない。

悲しい場面や怒りの場面では、それなりの音楽が流れてくる。あの音楽BGM無しで観たらつまらないような映画ドラマはやはり映像表現としてつまらないものだ。音楽効果で視聴者を無理やり感情移入させるようなのばかり。映像だけでも物語、しかもBGMが相乗効果を与えるというのが総合芸術ともし言うならば追求すべき姿だろう。

 

そういう暴れん坊役の人が出てきて派手な羽織袴で笑顔でサンバ踊っちゃうともうギャグにしかならない。悲しいギャグだけど。

時代劇というとHNKのドラマがネットでも観れるけど、・・・。最近は長台詞とか長回しってないんだね。役者が記憶力悪い人ばかりなんだろうか。長回しに耐えられない演技力なんだろうか。

憎まれ口で彼らを叩き切るつもりは毛頭なくて、低迷している日本の芸能界は小手先ばかりじゃなく基本から頑張ってイタダキタイ!という要望なのだ。

NHKの経営委員をどうにかしないと駄目かもね。

 

ジャニーズと宝塚歌劇団や吉本興業の問題についてはいずれ書くと思う。

 

 

 

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